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●松島慶三 (「諜報太平洋戦争」朝日ソノラマ 1985 p138 質問書)
真珠湾攻撃が行われるひと月と8日前の11月1日、ホノルルに入港した郵船の事務長が一人のボーイを伴って総領事館を訪れた。事務長は鈴木少佐であり、ボーイに化けていたのは松尾中尉だ。彼らの目的は森村書記生、つまり吉川中尉にあうことだった。二人は吉川に対する軍令部からの97項目の質問書を手渡し、その回答を吉川に求めるために派遣された特使であった。大洋丸は、あすの朝抜錨して日本に向かう。報告書は、それまでに書き上げなければならなかった。