大洋丸>暁烏敏

●「暁烏敏・加賀松任北安田の僧」昭和8年1月31日、上野駅から電車で横浜桜木町についたのは午前10時半頃だった。直ちに大谷派別院で送別の宴が開かれた。2時「大洋丸」に乗り込んだが、沢山の人が見送られた。中村君がデッキで皆の撮影をしてくれられた。かくて「大洋丸」は3時に錨をあげた。今度は武雄が同行するので、テープを持ってデッキにたっても淋しい気がしなかった。船中では毎夜活動写真があり、6日の夜は演劇会があった。屋上庭園に小鳥の声は聞こえる。万事行届いて天上界のような生活である(「暁烏敏全集第3部第3巻」松任・香草舎 1960 p509)