大洋丸>東洋汽船>委託契約
●カップフィニステレ(Cap Finisterre)(大洋丸)大正9年11月10日引渡終了、日本郵船
の手により回航し、12月18日リヴァプール出発、大正10年1月30日横浜到着、2月13日回航手
続終了の上、3月12日本船の管理を東洋汽船に委託する契約を締結せり(「明治大正財政史
20」財政経済学会 p145 大蔵省)
○Cap Finisterre は、大陸の果ての岬の意。大陸 terre は欧州を意味し、fini は、
果て、である。そういう名前の岬が、スペイン最西端にあり、これまでに読んだものの
なかでは吉村昭の「深海の使者」に出てくる。第二次世界大戦末期、同盟国ドイツへの使者
である日本の潜水艦が、大西洋に浮上して、この岬を望見する箇所がある。しかし、
なぜ スペインの岬の名が、ドイツ帝国の客船名になったのだろうか。強いて理由づけ
すると、大洋丸はハンブルクで1911年に建造されたとき、すでに南米へのドイツ移民を輸送
する船にきまっていたので、途中で望見する岬だから、そう名付けた、と考えられる。
しかし、真偽のほどは、わからない。