大洋丸>田久保英夫の大洋丸関係作品

坂本さんが、この「大洋丸航海日誌」ブログに書き込んで報知してくれた「文学界58(12)」2004年12月号の記事に、やはり「大洋丸」関係記事があった。書かれているかも知れないということを、坂本さんはなんで知ったのだろう。よく行く東陽図書館に、前もってネットで取り寄せてもらってから、都バスに乗って出かけて借りてきた。「特集・言語表現を極める」のなかの「短篇小説の技術−田久保英夫をめぐって(武藤康史)p266−279」である。3章あるうち「1.大洋丸撃沈」と「2.「三田文学」伝説」」に「大洋丸」が出てくる。1.の冒頭「人の年譜を造るというのは恐ろしいことである」という言葉で、まず驚かされるが、要は講談社文芸文庫田久保英夫作品集 深い河・辻火』の年譜で「大洋丸」を「太洋丸」と誤った理由と、田久保の作品をみな調べて「大洋丸」関係描写の有無を調査してあるのである。筆者武藤さんが挙げている作品のなかで、深井がこれまでに調べて「大洋丸」記事があることを知っていた作品は「触媒」「氷夢」と「埠頭にて」の田久保自身の解説文および各作品集付載年譜である。深井が探しあてていなかった作品は「髪の環」「不意の視野」「幻燈」「浮標」「矢車の記憶」と多い。さすが専門の文芸評論家であると感心する。しかし、これらの作品名が一挙にわかったのは、坂本さんのおかげである。坂本さんありがとう。