大洋丸航海日誌

昭和16年12月8日未明、日本陸海軍は西太平洋上で米英両軍と戦闘状態にはいった。開戦初の犠牲は三井船舶の淡路山丸。8日当日多数の兵員をつみ輸送船団に加わってマレー半島コタバルに接岸陸揚げ中敵機の攻撃を受けて火災を起こし沈没。そのあと沈没はふえるばかり。桑港航路の客船大洋丸昭和17年5月8日九州沖を南下中、潜水艦の襲撃で沈没したが、このニュースはいちはやく人の口につたわり、戦争の容易ならぬことを感じさせた。[日本郵船大洋丸の絵がある]
(「柳原良平 船の本」 至誠堂 1969 p174 柳原良平