大洋丸航海日誌

昭和16年10月15日、臨時ホノルル配船の大洋丸にアシスタント・パーサーとして乗り込んでみると、どことなく雰囲気が違う。外務省からの監督官がいた。またアシスタント・パーサーのなかに一人だけ特別扱いの人がいた。ユニホームは、私と同じ肩章の金筋2本の中に白一本なのだが、船客業務をしない勤務者である。10月20日夕、船は横浜港を出た。往路の船客は274で日本人はいなかったように思う。
(「朝日新聞」1991.10.24 p5 二口一雄)