能登の歌>能登の島山

能登郡の香島の津より発船して、熊木村を指して往く時に作る歌二首
鳥総立て船木伐るという能登の島山今日見れば木立繁しも幾夜神びそ
○七尾から船出し、中島村を目指した時の歌。船用材伐採の際に鶏冠のような梢を根に立て祈る風習がある能登島を今日見ると木立が繁り幾代も経た神々しさである。大樹伐採時の能登の習俗を聴き家持唯一の旋頭歌で「今日見れば」と詠んだ気持ちを理解したい。