能登の歌>香島から熊木へ

○七尾から乗船して中島村を目指していると船の櫓が休む間もなく動いているように絶え間なく都のことが思われてならない。家持の思いは奈良においてきた妻のことという。高浜虚子も「家持の妻恋船か春の海」と読んでいるが、私はそういう気持ちもあるだろうが、聖武天皇下命の大仏造営資金調達の難しさを思っているところもあると思う。