能登の歌>仁岸川

●鳳至郡の饒石川を渡りし時に作る歌一首
妹に逢はず久しくなりぬ饒石川清き瀬ごとに水占はえてな
羽咋郡の北、鳳至郡の剣地にある仁岸川を渡った時の歌。妻に会わずに長く時が経った。川の清らかな瀬ごとに、水占をしてみよう。水占の方法は知られていないが「美奈宇良波倍弖奈」ミナウラハへテナと読むこの「ハへ」を「延へ」と解して、清い川瀬ごとに縄を流して、いつになったら妻に会えるか占ってみようという意。