大伴家持>妹に逢わず

「妹に逢わず」
(太田光一)饒石川は現在の仁岸川で、鳳至郡剣地で日本海に注いでおり、羽咋市より北であるから4028番「妹に逢わず」は4025番「志雄路から」の次ぎに詠まれたと思われる。なお、この「水占」は「清き瀬ごとに」に「元気か、具合が悪いか」と唱えて妻の安否を占うものであったのだろう。「はえてな」は「はふ」つまり「相手に自分の気持ちを届ける」の意で、「このように自分は水占いをしてお前の安否を気遣っていることを分かってほしい」というのである(「大伴家持」郁朋社2002 p149)